FXの確定申告、税金はいくらかかる?計算方法と注意点を解説

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この記事の対象:日本の個人の税務を想定し、金融商品取引法に基づき登録された国内FX業者での取引を前提に説明します。

国内FXの利益にかかる税金は、給与など他の所得の金額に関係なく一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。これは、国内FXの利益が「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象になるためです(国税庁タックスアンサーNo.1521)。

今回は、なぜそうなるのか、仕組みから具体的な税額、損益通算・繰越控除のポイント、そして確定申告の作業を楽にする方法までまとめてみます。

電卓と書類を使って税金を計算している様子

画像:Pixabay

国内FXの税金が「一律20.315%」になる理由

国税庁のタックスアンサーNo.1521によれば、金融商品取引法上の登録を受けた国内FX業者との取引(いわゆる国内FX)は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象になります。

申告分離課税とは、給与など他の所得とは切り離して、その所得だけに一定の税率をかけて税額を計算する方式です。税率は所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%で、合計20.315%。給与年収が高くても低くても、この税率は変わりません。

一般的な雑所得(副業収入など)は、給与と合算して税率が決まる「総合課税」が適用されるため税率が所得水準によって変わりますが、国内FXはこの総合課税とは別枠で計算される、というのがまず押さえておきたいポイントです。

具体例で見る、利益ごとの税額

言葉だけだとイメージしづらいと思うので、利益の金額ごとに税額がどれくらいになるか、早見表にしてみました。

FXの利益ごとの税額(申告分離課税20.315%)の早見表

国税庁タックスアンサーNo.1521の税率20.315%にもとづく計算例です(2026年10月8日確認)。実際の税額は、必要経費の控除や他の所得との通算によって変わります。

例えば年間利益が100万円なら、203,150円が税額の目安になります。給与年収が300万円の人でも800万円の人でも、この税額は変わりません。この「所得にかかわらず税率が一定」という点が、申告分離課税の大きな特徴です。

複数のFX口座を使っている場合

「A口座は利益が出たけど、B口座は損失だった」というケースはよくあると思います。この場合、すべての口座の年間損益を合算した金額が課税対象になります。

複数のFX口座を使っている場合の損益合算の計算例

複数のFX口座を使っている場合、全口座の年間損益を合算した金額が課税対象になります。上の例ではA口座の利益とB口座の損失を合算して90万円になり、税額は90万円×20.315%=182,835円です。

損益通算・繰越控除で税額が変わるケース

国税庁のタックスアンサーNo.1522によれば、国内FXの損失は、同じ「先物取引に係る雑所得等」に区分される他の取引(他のFX口座、CFD取引、日経225オプションなどの先物取引)との損益通算が認められています。ただし、給与所得や事業所得など、区分が異なる所得とは通算できません。

さらに、損益通算してもなお引ききれない損失は、翌年以後3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できる「繰越控除」という制度もあります(国税庁タックスアンサーNo.1522、No.1523)。今年損失が出ても、確定申告をしておけば、来年以降の利益と相殺して税負担を抑えられる可能性があります。

ただし繰越控除を使うには、損失が出た年だけでなく、その後の年も含めて毎年連続して確定申告書(申告書付表・計算明細書を添付したもの)を提出し続ける必要があります(国税庁タックスアンサーNo.1523)。損失の年だけに注目した詳しい内容は、別記事「FXの損失、確定申告した方がいい?損益通算・繰越控除の落とし穴」でまとめているので、あわせてご覧ください。

確定申告が必要かどうかの基準(20万円ルール)

給与を1か所からもらっていて年末調整が済んでいる会社員の場合、FXの利益を含む給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です。この「20万円ルール」の詳しい条件や、住民税は別ルールになる点については、別記事「FXの利益、年間いくらまでなら確定申告しなくていい?」で詳しく解説しています。

知っておきたい、その他の注意点

  • 含み益は課税されない:決済(利益確定)していないポジションの含み益は課税対象になりません。課税対象になるのは、その年に決済して確定した損益です。
  • 必要経費を差し引ける場合がある:取引手数料や、取引のために直接必要な情報サービスの利用料などは、必要経費として所得から差し引ける場合があります。何が経費として認められるかは個別の事情によるため、判断に迷う場合は税理士に確認することをおすすめします。
  • 住民税の徴収方法を選べる:確定申告書の「住民税に関する事項」で徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択すると、給与天引き以外の分の住民税を自分で納付できます(年末調整済みの給与分の徴収方法は変わりません)。

よくある質問

Q. FXの利益は確定申告書のどこに書けばいい?
申告分離課税の対象なので、通常の確定申告書(第一表・第二表)に加えて、分離課税用の第三表に「先物取引に係る雑所得等」として記入します(国税庁タックスアンサーNo.1521)。

Q. 口座から出金していなくても税金はかかる?
税金の計算は、口座への入出金ではなく、その年に決済して確定した損益にもとづきます。利益を口座に置いたままでも、決済して確定している分には課税されます。

確定申告そのものを、できるだけ楽にする方法

申告分離課税の仕組みを理解できても、実際の確定申告の作業自体が面倒だと感じる方は多いと思います。特に給与所得と合わせて申告する場合、書類の準備だけでも一苦労です。

そこでおすすめなのが、銀行口座やクレジットカードと連携して、明細の取り込みから仕訳、申告書の作成までを自動化してくれるクラウド会計ソフトです。会計の知識がなくても直感的に操作できるものが増えており、初めての確定申告でも大きな助けになります。

代表的なところでは、freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、そして弥生の確定申告ソフトなどがあります。

料金や無料期間、FXの申告への対応(計算明細書や付表を作れるかどうか)はソフトごとに違い、変わることもあります。申し込む前に、各公式サイトの最新の案内を確認してください。

まとめ

  • 国内FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税され、税率は所得にかかわらず一律20.315%
  • 複数口座を使っている場合は、全口座の年間損益を合算して課税対象額を計算する
  • 損失は同じ区分の取引同士で損益通算でき、引ききれない分は翌年以後3年間繰り越せる(ただし毎年連続して申告が必要)
  • 給与以外の所得(FXの利益を含む)が20万円以下なら、所得税の確定申告が原則不要になる場合がある(住民税は別ルール)

自分の場合どれくらいの税負担になりそうか気になった方は、上の早見表を目安に確認し、実際の申告作業には会計ソフトの活用も検討してみてください。

※FX取引には為替相場の変動による元本割れなどのリスクがあります。税金は利益が出た場合の話であり、損失が出る可能性もふまえたうえで取引を行ってください。

※本記事は一般的な情報を目的としたものです。個別の税務相談は税理士等の専門家にご確認ください。(2026年10月8日時点の国税庁タックスアンサーの内容をもとに作成)

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