この記事の対象:日本の個人の税務を想定し、金融商品取引法に基づき登録された国内FX業者での取引を前提に説明します。
国内FXの確定申告は、FX業者から届く「年間取引報告書」をもとに「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を作り、申告書の第三表に転記して提出する流れです(国税庁タックスアンサーNo.1521)。作成は国税庁の確定申告書等作成コーナーでも会計ソフトでもできます。ただし、ソフトによって「明細書までソフトが作る」か「明細書は自分で書く」かが違います。
この記事では、申告までの手順、必要書類、数字の転記先、会計ソフトで進める場合の流れを順番に整理します。
まず全体像:やることは5つ

図の通り、やることはシンプルです。FXの損益はその年の1月から12月までに決済して確定した分が対象で、含み益は課税対象になりません。
いつまでに出す?期間と提出先
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。提出先は住所地を管轄する税務署です(国税庁タックスアンサーNo.2020)。期限が土日祝日にあたる年は、翌平日になります。納付の方法は、国税庁の案内で確認してください。
利益が出ていない年や、給与以外の所得が20万円以下の年は、申告が不要になる場合があります(給与の勤務先が1か所で年末調整が済んでいるなどの条件があり、住民税の申告は別に必要になることもあります)。判断の基準は「FXの利益、年間いくらまでなら確定申告しなくていい?」で整理しています。
必要書類はこの5つ
- 年間取引報告書:FX業者が電子交付または郵送で出すもの。複数の業者・口座で取引した人は、全部そろえる
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書:国税庁の様式。年間取引報告書をもとに記入する
- 申告書付表(先物取引に係る繰越損失用):損失を翌年以降に繰り越す年だけ必要
- 給与の源泉徴収票:給与所得がある人
- 本人確認書類・マイナンバーの確認書類:マイナンバーカードがあれば両方を満たせる
出典:国税庁タックスアンサーNo.1521(明細書・付表の様式)、マネーフォワード クラウド確定申告のFAQ(年間取引報告書は電子交付または郵送)、弥生「FXの利益・損失は確定申告が必要?」(必要書類の一覧)。いずれも2026年10月21日確認。
年間取引報告書の数字は、明細書のどこに入る?
一番つまずきやすいのがここです。freeeのヘルプでは、年間損益報告書(FX会社によっては「年間取引報告書」と呼びます)の項目と明細書の欄の対応が次のように示されています。

出典:freeeヘルプ「先物取引やFXを行った場合の記入方法」(2026年3月2日更新、同年10月21日確認)。業者によって報告書の項目名は違うので、実際の報告書と見比べて確認してください。
スワップポイントによる収入がある場合は、報告書のスワップの項目を、上の表の対応に沿って入力します。
やり方①:国税庁の確定申告書等作成コーナーで作る
弥生の解説ページが紹介している作成コーナーの流れは、次の通りです。
- 「作成開始」を選び、提出方法を選ぶ
- 「所得税」を選び、生年月日を入力する
- 「給与以外に申告する収入」で「はい」を選ぶ
- 「先物取引に係る雑所得等」を選び、取引の内容を入力する
- 給与など他の所得があれば入力する
- 納付額を確認し、個人情報と納付方法を入力する
- 印刷して提出するか、e-Taxで送信する
画面の表示は年によって変わるので、実際の画面の案内に従ってください。FXと給与だけの申告なら、この方法で足りる人も多いはずです。
やり方②:会計ソフトで進める(freeeの例)
FX以外にも副業の収入や経費があるなら、ソフトに一本化した方が楽になります。freeeでは「確定申告書の作成」画面の「収支」で、次のように進めます(freeeヘルプより)。
- 手元に年間損益報告書を用意する
- 「FXの取引はありますか?」で「はい」を選ぶ
- 報告書の数字を入力して保存する
- 確定申告書第三表と計算明細書が出力される(損失がある場合は繰越損失用の付表も出力される)
ソフトの選択肢の一つとして、freee会計
があります。明細書や付表までソフトの出力対象になっているのが、ヘルプを読んで確認できた特徴です。料金や無料期間は変わるので、公式サイトで確認してください。
一方で、FXの明細書に対応していないソフトもあります。違いは「FXの確定申告ソフトの選び方」で比較しています。
提出して終わりじゃない:ここも確認
- 損失の年も申告する:申告しないと損失を翌年以降に繰り越せません。詳しくは「FXの損失、確定申告した方がいい?」へ
- 税額の目安:利益に対する税率は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%で合計20.315%です。計算例は「FXの確定申告、税金はいくらかかる?」で解説しています
- 経費にできるもの:手数料のほか、判断が分かれる費用もあります。「FXで経費になるもの・ならないもの」を参照してください
- 複数口座:全口座の年間損益を合算して申告します。口座ごとに年間取引報告書があるので、そろえ忘れに注意
まとめ
- 国内FXの申告は、年間取引報告書 → 計算明細書 → 第三表の順に進める
- 期間は原則、翌年2月16日から3月15日まで
- 作成コーナーでも会計ソフトでも作れる。ソフトごとに明細書の扱いが違う
- 損失の年も、繰越控除を使うなら申告が必要
※FX取引には為替相場の変動による元本を上回る損失が出る場合があります。
※本記事は一般的な情報を目的としたものです。個別の税務相談は税務署または税理士等の専門家にご確認ください。(2026年10月21日時点の公式情報をもとに作成)


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